妄想日記-映画みたいな恋したい(2005年10月05日)
いいかげん
この年になると
コンパなんて
ときめかないし
ただの人数合わせで
呼ばれる事が多くなった
もちろん
やる気なんて無いので
「えーリョウさんって何処に住んでるんですかー?」
なんて質問なんかにも
「いや、ちょっと人には言えない所だよ」
「気になるぅードコドコ?」
「ん?ウサギ小屋、そう小学校の。」
大抵こう言えば
コイツ変だってと思われ
その後は
「次、何飲みます?」か
「皿、取ってもらえます?」
以外話しかけられない。
でも
白いフワフワした服を着た
その子は、ちょっと他の子とは違った
「えーリョウさんって何処に住んでるんですかー?」
「いや、ちょっと人には言えない所だよ」
「気になるぅードコドコ?」
「ん?ウサギ小屋、そう小学校の。」
すると
鼻をつまみながら彼女が言った
「どおりでケモノ臭い訳だ。でもなんでそんな所に?」
「僕、貧乏だから。もちろん家賃なんて払えないし
ゴハンも小学生が持ってくるウサギのエサを
こっそり食べてるんだ。」
「そうなんだー。でもそんなに貧乏なのに今日は
コンパなんて豪勢ね。」
「君たちみたいな綺麗な人達に会えると聞いて
泣く泣く心の友、ウサギのミート君とディステニーちゃんを
中央区のペットショップに・・・。」
「え?それって中央区の赤い看板のペットショップ?」
「そう、心配だな、あの2人今頃どうしてるだろう。」
それを聞いた彼女は
何故か泣きそうな目になり
ゆっくりと話始めた
「私ね、今日本当はコンパ来ないつもりだったの
どうせ私なんか行っても相手になんかされないわってね。
そう思いながら会社帰り赤い看板のペットショップの前を
通ったの。
そしたらとっても可愛いウサギちゃんが2匹。
目が合った
どうせ意味の無いコンパでお金使うなら
買っちゃえって思って
誰もいない家に
家族が2人増えて嬉しかったわ
なんかね
それだけの事なのに
私、勇気が湧いてきて
今日のコンパに来たの
その勇気をくれた2人の名前が
ディステニー(運命)、ミート(出会い)・・・」
僕たちは
そっと、さっき飲み干した
空のビールジョッキで乾杯して
正露丸はウサギのフンかどうかで
喧嘩した。